顧客が商品やサービスを知り、購入・リピートに至るまでの過程を理解するためには、タッチポイントを洗い出し、それに応じた施策を設計することが重要です。タッチポイントとは、顧客がブランドや商品と接触するすべての接点を指します。この記事では、タッチポイントの洗い出しと、それをユーザー体験の視点から捉えてマーケティング施策に反映する方法について解説します。
1. タッチポイントの洗い出しとは?
タッチポイントの洗い出しとは、顧客が商品やサービスと接触するすべての瞬間をリストアップすることです。これにより、顧客がどのようなプロセスを経て商品を知り、購入に至るかが明確になります。
主なタッチポイント例:
- オンライン:SNS広告、ウェブサイト、メールニュースレター、商品レビューサイト
- オフライン:店舗訪問、イベント参加、友人や家族からの紹介
- 購入後:フォローアップメール、アフターサポート、サーベイ
図:タッチポイントの例
SNS広告 → ウェブサイト訪問 → 商品ページ閲覧 → 比較サイトで確認 → カートに入れる → 購入 → フォローアップメール → サポート
このようなタッチポイントをすべて洗い出すことで、顧客がブランドに触れる一連の流れを理解しやすくなります。
2. ユーザー体験の視点から見るマーケティング施策
ユーザー体験(UX)の視点を重視することで、各タッチポイントが顧客にどのような印象を与え、どのように体験されるかを把握できます。これにより、ポジティブな体験を提供する施策を設計し、顧客満足度を向上させることができます。
ユーザー体験を重視する理由:
- 顧客の信頼獲得:良い体験はブランドへの信頼を高め、リピート購入や口コミにつながる。
- 離脱防止:ネガティブな体験を避けることで、購入プロセス中の離脱を減少させる。
- ブランドロイヤリティ向上:一貫したポジティブな体験は顧客の忠誠心を育てる。
3. タッチポイントごとの施策例
以下の表は、タッチポイントとそれに応じた施策例を示しています。
タッチポイント | ユーザー体験の視点 | マーケティング施策 |
---|---|---|
SNS広告 | 視覚的にインパクトがあり興味を引く | 魅力的なクリエイティブと明確なCTA(行動を促すメッセージ) |
ウェブサイト訪問 | 情報が探しやすく、ナビゲーションが簡単 | モバイルフレンドリーなデザイン、簡潔な情報提供 |
商品ページ閲覧 | 詳細な情報と他社比較がしやすい | 詳細な商品説明、顧客レビューの掲載 |
比較サイトで確認 | 信頼性があり、情報が正確 | 公認レビューサイトでの評価を高める |
購入 | スムーズな決済と購入の安心感 | ワンクリック購入、SSLセキュリティによる安全性の確保 |
フォローアップメール | 購入後の安心感と次回購入への誘導 | ありがとうメール、関連商品の提案 |
アフターサポート | 問題が迅速に解決され、信頼感を高める | FAQの充実、チャットサポート、迅速な対応 |
4. タッチポイントマップの作成方法
タッチポイントマップを作成することで、顧客の行動をビジュアルで把握しやすくなります。以下のステップでマップを作成します。
1. 顧客の旅路を定義する:顧客がどのように商品やサービスと接触するかを洗い出します。
2. 各タッチポイントをリスト化する:認知からリピートまでのタッチポイントをリストにまとめます。
3. 各ポイントの体験を評価する:どのタッチポイントがポジティブで、どこに改善が必要かを確認します。
4. 改善策を立てる:問題のあるタッチポイントに対して、具体的な改善策を計画します。
図:タッチポイントマップの例
SNS広告 → ウェブサイト → 商品ページ → 購入手続き → 購入後フォローアップ → アフターサポート
5. ユーザー体験を改善するためのヒント
- 一貫性を持たせる:ブランドメッセージを統一し、タッチポイント間で一貫性を持たせることで顧客体験が向上します。
- フィードバックを活用する:顧客からのフィードバックを活用し、改善ポイントを見つけて対応する。
- パーソナライゼーション:顧客の興味に応じた情報を提供することで、特別感を演出しエンゲージメントを高めます。
まとめ
タッチポイントの洗い出しとユーザー体験の視点からのマーケティング施策は、顧客満足度を高め、リピートや口コミにつなげるための重要なステップです。カスタマージャーニー全体を把握し、各タッチポイントでどのような体験が提供されているかを見直すことで、効果的なマーケティング戦略を構築できます。
次回予告:次回は、「マーケティングKPIと主要指標」について解説し、施策の効果をどう測定し改善するかを学びます。
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