WEBマーケティングにおいて、顧客が商品やサービスを知り、購入に至るまでの過程を理解することは非常に重要です。この過程を可視化したものがカスタマージャーニーです。カスタマージャーニーを正しく理解し構築することで、顧客体験を向上させ、より効果的なマーケティング施策を実施できます。この記事では、カスタマージャーニーの基本概念とその目的について詳しく解説します。
1. カスタマージャーニーの基本概念
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスに接触してから購入、さらにその後の関係性までを含む一連の流れを示したものです。これは、顧客の視点でビジネスとの接点を洗い出し、各段階でどのような体験をしているかを理解するためのツールです。
カスタマージャーニーには以下のような段階があります。
- 認知:顧客が商品やサービスの存在を知る段階
- 興味・関心:商品やサービスに興味を持ち、情報を収集する段階
- 検討:他社製品との比較や具体的な購入を考える段階
- 購入:最終的な購入決定の段階
- アフター購入:購入後のフォローやリピートの段階
以下の図は、カスタマージャーニーの各段階を視覚的に示したものです。

2. カスタマージャーニーの目的
カスタマージャーニーを理解し構築することには、次のような目的があります。
- 顧客体験の向上: 顧客が各段階でどのような行動をし、何を感じているかを理解することで、顧客体験を改善できます。たとえば、ウェブサイトで情報が見つかりにくいという問題を発見した場合、UI/UXを改善することで解決できます。
- 一貫したメッセージの提供: 各タッチポイント(広告、ウェブサイト、SNSなど)で顧客に一貫したメッセージを提供することができます。これにより、ブランドイメージが強化され、顧客の信頼を得やすくなります。
- 施策の最適化: 顧客がどの段階でつまずいているかを特定することで、マーケティング施策を最適化し、リソースを効果的に配分できます。例えば、「検討」段階で離脱が多い場合は、その段階でより詳細な情報提供やサポートが必要かもしれません。
- 顧客ロイヤリティの向上: 購入後のフォローアップやカスタマーサポートを充実させることで、顧客が再び商品やサービスを利用したり、他の人に勧めたりする可能性が高まります。
3. カスタマージャーニーの構築ステップ
カスタマージャーニーを構築する際には、以下のステップを踏むと効果的です。
ステップ | 内容 |
---|---|
1. ターゲットの明確化 | 顧客ペルソナを作成し、どの顧客層がカスタマージャーニーの対象かを決める。 |
2. タッチポイントの洗い出し | 顧客がどのチャネルやポイントで商品・サービスに接触しているかを整理する。 |
3. 顧客行動のマッピング | 顧客が各ステージでどのような行動をとるかをマッピングし、具体的な流れを可視化する。 |
4. 課題の特定と改善策 | 各ステージでの課題を見つけ、どの施策が必要かを決める。 |
5. 継続的な改善 | 定期的にカスタマージャーニーを見直し、顧客ニーズの変化に応じた改善を行う。 |
4. カスタマージャーニーマップの例
以下は、オンラインショッピングサイトでのカスタマージャーニーの一例です。
ステージ | 顧客行動 | 顧客の感情 | タッチポイント | 必要な施策 |
---|---|---|---|---|
認知 | SNS広告を見て商品を知る | 興味が湧く | SNS、広告 | 興味を引くコンテンツ制作 |
興味・関心 | ウェブサイトで情報を探す | 期待と不安 | ウェブサイト、商品ページ | 使いやすいUI/UX設計 |
検討 | 他社と比較しレビューを見る | 期待と疑念 | レビューサイト、比較記事 | 信頼性のあるレビューの提供 |
購入 | 商品をカートに入れ購入手続き | 喜びと安心 | カート、購入ページ | スムーズな購入フロー |
アフター購入 | 購入後のサポートを受ける | 満足感と信頼感 | メール、サポートセンター | フォローアップメール、迅速なサポート |
このような視覚化は、関係者間での共有にも役立ち、顧客体験の向上に向けた協力がスムーズに進みます。
まとめ
カスタマージャーニーは、顧客の視点でビジネスプロセスを分析し、顧客体験を向上させるための重要なツールです。顧客が各ステージで何を求めているのかを理解し、そのニーズに応じた施策を展開することで、マーケティングの効果を最大化できます。継続的な改善を通じて、顧客ロイヤリティを高め、長期的なビジネス成長を目指しましょう。
次回予告:次回は、「カスタマージャーニーにおけるタッチポイントの洗い出しとユーザー体験の視点から見るマーケティング施策」について解説していきます。
コメント