プログラムから出力されるデータを見やすい形に整えることは、ユーザーが情報を理解しやすくするために重要です。この章では、Pythonでの基本的な出力のフォーマットについて学びます。フォーマットを駆使して、整ったレポートやテーブル形式の出力を作成できるようになりましょう。
出力フォーマットとは?
出力フォーマットとは、データをわかりやすい形で表示するための方法です。Pythonでは、文字列を整形するためのさまざまな手法が用意されています。
主なフォーマット方法
print()
関数と文字列連結- f-string(フォーマット文字列)
str.format()
メソッド- パディング(幅指定)や配置
基本的な出力方法
print() 関数と文字列連結
最も基本的な方法は、print()
関数を使った文字列連結です。
例:文字列と変数の連結
name = "太郎"
age = 25
print("名前: " + name + ", 年齢: " + str(age))
実行結果
名前: 太郎, 年齢: 25
f-string(フォーマット文字列)
Python 3.6以降では、f-string
を使うことで、変数を簡潔に埋め込むことができます。
例:f-stringの使用
name = "太郎"
age = 25
print(f"名前: {name}, 年齢: {age}")
実行結果
名前: 太郎, 年齢: 25
利点
- シンプルで読みやすい。
- 表現力が豊かで、計算や関数呼び出しも埋め込める。
print(f"次の年齢: {age + 1}")
str.format() メソッド
str.format()
メソッドを使用してフォーマットを整える方法も一般的です。
例:str.format()
を使ったフォーマット
name = "太郎"
age = 25
print("名前: {}, 年齢: {}".format(name, age))
実行結果
名前: 太郎, 年齢: 25
フォーマットの応用:テーブル形式の出力
複数のデータを整理して表示する際には、テーブル形式の出力が便利です。Pythonでは、フォーマット指定を活用して列幅を揃えることができます。
パディング(幅指定)と配置
- パディング:列幅を指定して文字列を揃える。
- 配置:左揃え、右揃え、中央揃えを指定可能。
例:幅指定と配置
print(f"{'名前':<10}{'年齢':>5}")
print(f"{'太郎':<10}{25:>5}")
print(f"{'花子':<10}{30:>5}")
実行結果
名前 年齢
太郎 25
花子 30
tabulate ライブラリを使ったテーブル出力
Pythonの tabulate
ライブラリを使うと、簡単に整形されたテーブルを作成できます。
インストール
pip install tabulate
例:tabulate
を使ったテーブル出力
from tabulate import tabulate
data = [
["太郎", 25],
["花子", 30],
["次郎", 22]
]
headers = ["名前", "年齢"]
print(tabulate(data, headers, tablefmt="grid"))
実行結果
+------+------+
| 名前 | 年齢 |
+------+------+
| 太郎 | 25 |
| 花子 | 30 |
| 次郎 | 22 |
+------+------+
実践例
例1:売上データのレポート
sales = [
{"商品名": "りんご", "単価": 100, "数量": 3},
{"商品名": "バナナ", "単価": 50, "数量": 5},
{"商品名": "オレンジ", "単価": 80, "数量": 2}
]
print(f"{'商品名':<10}{'単価':>5}{'数量':>5}{'小計':>8}")
for item in sales:
subtotal = item["単価"] * item["数量"]
print(f"{item['商品名']:<10}{item['単価']:>5}{item['数量']:>5}{subtotal:>8}")
実行結果
商品名 単価 数量 小計
りんご 100 3 300
バナナ 50 5 250
オレンジ 80 2 160
図解:出力フォーマットの流れ
データの準備
↓
フォーマット指定
↓
f-string / str.format() / ライブラリ使用
↓
整形された出力
まとめ
print()
関数 を使って、簡単な出力が可能。- f-string を活用すると、簡潔で柔軟なフォーマットが可能。
- テーブル形式の出力 では、パディングや配置を活用すると見やすくなる。
tabulate
ライブラリ で、整形されたテーブルを簡単に作成できる。
プログラムの出力を整えることで、ユーザーにとってわかりやすい情報提供が可能になります。
次のステップ:テキストファイルの読み書き
次回は、「テキストファイルの読み書き」 を学びます。ユーザーのデータを保存したり、外部データをプログラムで利用する方法をマスターして、プログラムの実用性をさらに高めましょう!
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